OSMOS(オスモス)光学ストランドセンサによる構造ヘルスモニタリング

国土交通省新技術NETIS 登録番号:KT-200126-A
点検支援技術性能カタログ 技術番号:BR030056

施工実績

工業用の天井クレーンの異常検知モニタリング

概要

施工場所
フランス国内の製鉄所およびセメント工場
構造物
セメント工場の天井クレーン
製鉄所の155トンの天井クレーン
実施時期
2018~
モニタリングの目的
セメント工場の天井クレーン
早期の疲労の兆候を示していた当該クレーンについて、劣化による損傷を抑制するために補強作業が行われた。クレーンの力学的挙動と運転サイクルがクレーンの状態に及ぼす影響をモニタリングするためにOSMOSシステムが採用された。クレーンに発生するひずみや変位量から損傷の発生を予測することで、管理者は構造物の保全と作業員の安全を保証するために必要な対策をとることが可能になる。

製鉄所の天井クレーン
クレーンガーダーの1つに亀裂が発生したことを受け、その状態の進展を継続的にモニタリングすることを目的としてOSMOSシステムが採用された。特に稼働時のガーダー部の実際の構造的挙動の特徴をつかむためのモニタリングシステムを構築した。
モニタリングシステム
セメント工場の天井クレーン
モニタリングシステムは、8つの光学ストランドセンサ、4本の伸縮計、および温度センサーで構成され、構造物の挙動を連続的にモニタリングしている。このシステムは、機械に異常が検出された場合、リアルタイムで管理者とOSMOS社にアラートが発報されるように設定されている。

製鉄所の天井クレーン
クレーンの箱桁ガーダーは、吊り上げ作業のたびに荷重を受ける。2本のガーダーのうち、電気が通っていないほうのガーダーにのみ亀裂が入り、損傷したガーダーと健全な方との比較解析を行うために2本の光学ストランドで計測を行った。
結果・管理者のメリット
セメント工場の天井クレーン
計測された変位サイクルを解析した結果、ボルト接合部に異常が発生している箇所が複数あることが判明した。見た目には何の異常もなくボルトが単に緩んでいる状態を検知することができ、即時に修理が行われると、計測データから状態が正常に戻っていることが確認できました。接合部緩みの検出は、操業停止や作業員の安全にも重大な影響を与えかねない事態を回避することができた。

工場の管理者は、クレーンの状態とその経時変化を正確に把握できるようになった。機械の弱点を特定することで、新しいメンテナンスプログラムを策定し、構造物の維持管理に関連するコストを大幅に削減が可能になるよう優先順位を見直すことができた。


製鉄所の天井クレーン
OSMOSモニタリングにより2つのガーダーの構造的挙動と動作モードを確認し、発生応力は主に移動式トロリとその荷重による桁の垂直曲げに起因していることが明らかになった。また、ひずみ(変位)サイクル解析の結果、運転負荷時の応力は、非電気ガーダーの方が電気ガーダーよりも若干高いこともわかった。そのため、発生ひずみを低減するための補強工事が行われた。
本モニタリングにて、クレーンガーダーの変位をリアルタイムで連続的に追跡し、その力学的挙動をみることにより、亀裂の原因を特定することができた。

実績一覧をPDFでダウンロードできます。
随時更新しています。(最終更新日:2022年8月10日)

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