海外事例
パリ:オーステルリッツ高架橋
- モニタリングの目的
- 2010年から導入された構造ヘルスモニタリング(SHM)システムでは、橋の主要部材に設置された光ファイバー式ひずみセンサ(OS)によって、構造物の状態がリアルタイムで監視されている。
SHMは静的モードと動的モードの2種類の測定方式を備えており、静的モードでは温度や長期的な変化を、動的モードでは列車通過時の応答を記録する。列車の通過ごとにイベントとして記録され、1日あたり500件以上のデータが蓄積されることで、構造物の健全性を多角的に評価する基盤が形成されている。 - モニタリングシステム
- 温度変化による影響および機械的要因(風、電車の通過)による応力変化を区別するために、種々のセンサが設置された。
- モニタリングステーション 2台
- 光学センサ 20本 (耐風溝接続部品、吊り具、サポートビーム、迫もち、タイロッド、アンカービーム、鉄板接続用オスメスねじ)
- 風速計 1台
- 温度計 4台
2015年には追加設置も行われた、15年間の運用においてセンサの故障は1件のみであり、非常に高い信頼性を示している。 - 結果・管理者のメリット
- 2010年から2025年の現在まで継続してSHMが運用されており、橋の各部材に設置された光ファイバー式ひずみセンサが、列車通過ごとに構造物の荷重に対する応答を記録している。
これらのデータは複数の解析ツールを用いてさらに分析され、高架橋の力学的特性の安定性が評価されている。
具体的には以下のような活用を行っている。
・動的データのレインフロー法により活荷重サイクル範囲のカウントでは、ひずみの変動範囲を統計的に分析し、構造物の剛性変化や損傷の兆候を検出する
・スペクトル解では、約4年間に渡り、固有周波数特性に大きな変化がないことから、本構造が力学的に安定していると判断された
・アラート管理システムも組み込まれており、即時アラートと日次アラートの2つのモードで異常を検出している。即時アラートは急激なひずみ変化をリアルタイムで検知し、日次アラートは過去24時間のイベントを統計的に分析することで、損傷の初期兆候を早期に把握することを目的としている
国内実績一覧をPDFでダウンロードできます。
随時更新しています。(最終更新日:2025年4月)
実績集計
橋梁:157件 / トンネル:25件 / 建築:15件 / 斜面・擁壁:13件
港湾:7件 / 船舶:5件 / ダム:4件 / 河川:3件 / その他:11件